【オーダースーツ】「裏地」の種類・素材の違いとおすすめの選び方とは?

投稿日:2020年12月6日 更新日:インフォメーション

スーツをオーダーする上でよく悩まれることの多いのが「裏地」です。

裏地の種類や特徴、選び方を知っておくだけでも、スーツの仕上がりは大きく変わってくるはずです。

今回はスーツの「裏地」の選び方とその種類について、福岡天神大名のオーダースーツ専門店「福岡えびすテーラー」のスタッフがご紹介します。

スーツの裏地が持つ役割とは?

着心地の軽さを重視したジャケットには裏地が省かれているなど例外はあるものの、ほとんどのジャケットの内側には裏地がついています。

裏地がついているのは何かしらの役割があるからだと言えます。

裏地の種類についてご紹介する前にまずは「裏地が果たす役割」についてご紹介します。

表地をダメージから守る

日頃からジャケットを羽織って動いていると、ジャケットとシャツの間で摩擦が起きています。

もしスーツの裏地がなかった場合、スーツの生地とシャツが直接擦り合うことになります。

そうすると、生地が傷んで薄くなってしまったり、毛玉ができてしまいます。

裏地があることで、シャツとの摩擦からスーツの生地を守りつつ、形崩れを防止してくれます。

着心地を良くする

スーツの裏地に使用される素材は「ポリエステル」や「キュプラ」など、手触りの滑らかなものが多いです。

滑りの良い裏地を使用する事で、体を動かした時にジャケットがまとわりつくのを防ぐことが出来ます。

袖の裏地に滑らかな裏地をつければ、袖を通した時も滑らかに着用できます。

裏地の色の選び方

スーツをオーダーする際には裏地の色・柄を選ぶことが出来ます。

裏地と言えども、たくさんの色合いと柄があり迷われる方も多いです。

続いては、スーツの「裏地の選び方のポイント」についてご紹介します。

裏地は「表地と近い色合い」で合わせる

裏地の色で迷われている場合、一般的には「スーツの生地に近い色合いの裏地」を選んでおけば間違いありません。

ネイビーのスーツであれば、ネイビーやブルーの裏地を選んだり、グレーのスーツならグレーの裏地を選ばれるなどです。

この際に、色のトーンを変えてみてもおしゃれですね。

例えば、ネイビーのスーツに裏地の水色を選んだり、ダークグレーのスーツにライドグレーの裏地を選ぶなどです。

同じ色の裏地で柄が異なるもの

同じ色合いの裏地でも柄の異なった裏地もあります。

「スーツの表地の柄との相性」を考慮しながら決めるといいでしょう。

スーツの生地がストライプであれば、裏地は無地で落ち着いた印象にするなど。

無地のスーツであれば裏地で遊んでみてもよいでしょう。

派手なデザインの裏地を選ぶのもおしゃれ

イタリアやイギリスから取り寄せられた裏地は、ポップな柄のプリントがなされていることがあります。

ふとジャケットをぬいだシーンで鮮やかな裏地が目に入れば、その場にいる方との会話にもつながるかもしれません。

お気に入りの裏地が見つかれば、挑戦してみる価値は十分にあります。

スーツの裏地の仕上げの種類とは

スーツのジャケットの中には、全体的に裏地が付けてあるものと、一部の箇所のみ付けられているものがあります。

それぞれの仕上げの特徴についても触れていきます。

背抜き

背抜きのメリットとして一番に挙げられるのは、春夏のシーズンでも比較的涼しく着用できるということです。

背抜きにすれば裏地を使用する量も少なくて済むため、コストも抑えられます。

デメリットとしては、スーツの生地が直接インナーと擦れ合うので、生地がダメージを受けやすくなってしまいます。

総裏地

ジャケットの内側に全体的に裏地が付けられています。

裏地がスーツの生地とインナーとのすり減りを防いでくれます。

スーツを長持ちさせるにはおすすめの仕上げです。

台場仕立て

裏地を張り替える際、内ポケットを作り直す手間を省くためにデザインされた仕立てです。

そのため、内ポケットを避けるような形で裏地が付けられています。

本格的なお仕立てによく使用されるデザインであり、一部のお台場仕立てでは細かいステッチも入るため高級感があります。

「剣先台場」「R台場」など、同じお台場仕立てでもデザインが異なってきます。

スーツの裏地の「素材の違い」とは

スーツの裏地に使用されている素材は大きく3種類あります。

それぞれの裏地の特徴についてご紹介します。

ポリエステル

石油燃料や植物由来の成分から生み出される「化学繊維」です。

摩耗に強く、耐久性にも優れています。

他素材と比較して、低コストで生産できるのもメリットです。

一方で、他素材よりも静電気が起きやすいのがデメリットです。

レーヨン

木材パルプを原料とした再生繊維です。

染色性が高いため、派手な柄がプリントされた裏地に良く使用されています。

他の素材と比較して、水分を含むと形崩れしやすいので注意が必要です。

キュプラ

綿花の種を包む産毛を原料とした再生繊維です。

高級感のある風合いと、吸湿性の高さ、手触りの良さが魅力です。

スーツの裏地で迷われた際は、このキュプラを素材としたものを選べば間違い無いでしょう。

スリーピースの時はベストの裏地も考慮する

スリーピースでスーツをお仕立てする場合は、ベストの背についてくる裏地にも考慮する必要があります。

ベストの裏地は背中一面につくので、派手すぎない裏地を選ぶのがおすすめです。

選び方のコツのひとつとして、明るい色合いよりも暗めの色合いの裏地を選ぶ方が、濡れてしまったり汚れてしまった時も目立ちにくいためオススメです。

まとめ

今回はスーツの裏地の種類や素材の違い、おすすめの選び方についてご紹介しました。

裏地にまでこだわりを持てば、着用するときの楽しみも大きくなるはずですよ。

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