オーダースーツの『裏トレンド』とも言われている?アメトラ、アイビー、プレッピーとは?

投稿日:2019年6月3日 更新日:スタッフブログ

2019年、現在、1990年代以降、空前の『紺ブレ』ブームと言われています。

メンズ、レディース共に街中のセレクトショップなどでは見かける機会も多くなってきました。

『紺ブレ』とは、その名の通り生地が紺色のブレザージャケットで、私が10代の頃にも一大ブームがありました。ラルフローレンやブルックスブラザーズなどアメリカの人気ブランドが一世を風靡しておりました。ただし当時10代の私には数万円もするブランドのジャケットには残念ながら手が届かず…仕方なく安価な模造品を買い当時の紺ブームを若者らしく楽しんだ記憶が蘇ります。

その紺ブレのルーツでもある、アメリカの伝統的なファッションスタイルは、20世紀のアメリカにおける4つのスタイルに分類されます。

●トラディショナル・アメリカンスタイル(19世紀末~20世紀初頭)
●アイビー・ルック(戦後1954年頃~1960年代半ば)
●ブリティッシュ・アメリカンスタイル(1960年代後半~1970年代)
●プレッピー・ルック(1980年代)

今回は特に『IVY』ルックについて少し掘り下げてみようと思います。

アイビーとは

1954年にアメリカのハーバード大学・イェール大学・プリンストン大学・コロンビア大学・ペンシルベニア大学・ブラウン大学・ダートマス大学・コーネル大学の8大学のフットボール連盟である「アイビーリーグ」が結成され、彼等が好んで着ていたファッションをアイビールックと国際衣服デザイナー名づけたのが始まりといわれています。
アイビーという言葉の語源は、校舎の壁に茂っている蔦(アイビー)が大学のシンボルであったことから名づけられました。
アメリカナイズされた粋なファッションスタイルは、時代を越えて長く愛されているスタイルです。

アイビーとプレッピーの違い

プレッピースタイルとは1980年代に、アイビーリーグに所属する大学進学を目指すプレパラトリースクール(予備校)に通う生徒たちの間で誕生し流行したファッションです。アイビーよりも子供っぽさがあり、カラフルなアイテムも多くサイズ感も若干ルーズであるため遊び心あふれたスタイルとなります。その後、プレッピースタイルもアイビーリーガーに好んで着られていたため、両者の違いを明確に定義づけるのは難しいところもあります。どちらもブリティッシュスポーツスタイルがルーツとされており、より機能的に発展させたものが合理性を好むアメリカの学生の間で流行り、2つのスタイルを確立したのです。

日本でのアイビールック

1960年代になると、銀座のみゆき通りに集まった若者たち(通称 みゆき族)にアイビールックは好まれ、彼らは独特の崩した着こなしをみせました。ボタンダウンのシャツに3つボタンのブレザー、コットンパンツにスリッポンシューズを履くのが彼らの定番スタイルです。
JUNやJ.PRESSなど若者に人気のブランドが数多くありましたが、やはり『VAN』はアイビールックの火付け役として他のブランドよりも一歩リードしていたと思います。

アイビールックの定番アイテム

紺ブレザー

シンプルでクラシックなパッチポケットや、ナチュラルショルダーの仕様は古くから愛される普遍的デザインで、3つ釦段返りのデザインこそアイビールックの象徴といえるでしょう。I型のボックスシルエットは普遍的なデザインであり、胸の部分にワッペンをつけて変化を楽しむのもアイビールックの魅力です。ボタンダウンシャツやコットンパンツとの相性が良くキレイめに着こなすのがポイントです。

ボタンダウンシャツ (オックスフォード)

ブルックスブラザーズ社がボタンダウンシャツ誕生のブランドといわれており、英国でのポロ競技観戦中に選手のシャツの襟が邪魔にならない用に留められていることに気が付き、そこからヒントを得て1900年に初めてのボタンダウンシャツをつくりだしたとされています。第1ボタンを開けて着ても、だらしなく見えずに、襟がきれいに内巻きの形を維持していることがいいボタンダウンシャツの特徴です。
オックスフォード生地(ダンリバー社などが有名)という丈夫な生地で作られたものがアイビールックの象徴ともいえるシャツで、今やカジュアルシャツやビジネスシャツの代名詞となり世界中の人から愛されるシャツとなりました。

ペニーローファー

ローファーは靴ひもを結ぶ必要がなく、楽に脱いだり履いたりできることから『怠け者』という意味の英単語の≪loafer≫が語源になっているとされており知的さと適度な脱力感を兼ね備え使い勝手のいい革靴であることが最大の魅力です。
アイビーリーガーの足元を飾る定番の革靴で、アイビールックの定番シューズとして現代も愛され続けています。
中でも甲部分のスリットに、1セントコインを挟むのが当時の定番スタイルであり、当時、日本の若者達もこぞって真似をしました。

コットンパンツ

表面だけできめる今のファッションとは違い、アイビールックは何より背中で粋を表現するスタイルでもあったため、尾錠付きコットンパンツが流行しました。色はオフホワイトからベージュ、ネイビーまで様々な色が選ばれました。チノパンはアイビールックに子供っぽさや遊び心を加えたプレッピースタイルによく用いられきれいめな印象を与えます。少し細身のパンツを選ぶのが上品に着こなすコツで、織り目(クリース)をつけるのも外せません。

アイビールックの髪型

七三に分けたショートヘアで、前髪を上げて固めるのが、当時アイビーリーガーの間で流行した髪型です。
全体的に清潔感があり、スポーティーな印象になるので、すっきりしベーシックな男らしい髪型として現在でも根強い人気を残しています。分け目をしっかり、もみあげは短め、カチッとしたセットで仕上げるのがアイビーカットです。

アイビールックのコーディネート

ロングスリーブのボタンダウンシャツにコットンパンツを合わせ、足元には素足にローファーという定番の夏のキレイめアイビースタイルです。アイビールックの基本は、トップスは重めで、下半身は軽めに見せるところにあります。トップスにジャケットで重さを出しつつも、足元を素足にローファーなどを合わせることで、アイビー風のコーディネートに仕上がります。

まとめ

アメリカントラッドスタイルは知的さに加え、好印象を与えるのに最適なジャケット&パンツスタイルで、現在のファッション文化にも強く受け継がれていると思います。

空前の『紺ブレ』ブーム、あなたも是非トライしてみては如何でしょうか?

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