フォーマルシーンの着こなし ~お葬式編~

投稿日:2018年8月28日 更新日:スタッフブログ

社会人になると少しずつ増えてくるのが弔事に参加する機会です。

年齢的にも若いうちには多くなかったものの、社会的立場が出来上がってくるにつれてお付き合いも増え、告別式などへの参加も増えてきます。

また弔事は、結婚式などのお祝い事に比べると突然にやってくることが多く、急いで対応しなければならないことがほとんど。いざというときに困らないためにも喪服はもちろんですが、知っておいた方が良い知識もたくさんあります。

今回は結婚式編に続き「フォーマルシーンの着こなし ~お葬式編~」として弔事に参加する際に気を付ける点を、身だしなみの点から見ていきたいと思います。

喪服とはどんな服装?

葬儀や法事の際に着用するものを指します。

スーツ量販店で一番よく見かける「礼服」(正式名称は「略礼服」)も喪服です。

しかし黒のビジネススーツとの明らかな違いがあります。

一つは黒色の濃さです。明るい日差しの中でも深い黒に見える漆黒で、屋内では分かりにくいですがは太陽の光の当たる場所だと礼服と黒のビジネススーツの黒色の差は歴然。

もう一つは織り方です。光を反射させない織り方になっていて極端な光沢のないものに限ります。

正喪服(正礼装)

まず、注意すべきなのが一般の参列者は、遺族よりもフォーマル度が高くならないように配慮しなければなりません。

一口に喪服といっても礼装と同様に格式が分かれており、場面や着用する方の立場で変わってくるので注意が必要です。

モーニングコートは、最も格式が高い服装です。主に葬儀を主催する側、遺族が着用します。

しかし、実際は社葬など規模の大きな葬儀での着用が多く、時間も昼間(18時まで)の葬儀に限ります。

準喪服(略礼装)

一般的な喪服 いわゆるブラックフォーマル(シングル、ダブルOK) もっとも着用する機会の多い喪服といえます。

スーツの量販店で販売されている「礼服」も一般的にはこの略礼装(略礼服)にあたります。日本では、この略礼装(略礼服)の出番が一番多く、多くの弔事に使われます。

黒のビジネススーツと比べると一段違う深い黒色をしており、仕事用の黒いスーツを着て行ってしまうと色の違いが目立ってしまうことがあります。

喪主、遺族、一般の参列者が着用します。

略喪服(平服)

礼服ではない地味目な服装で、濃紺や暗めのグレー等、落ち着いた色合いのスーツやワンピースなどがそれです。

お知らせを受けたその日の夜の仮通夜、三回忌以降の法要などで着用します。普段ビジネスで使うスーツとも併用できる場合もあり、大人しめの暗い色のスーツなら問題なく使い回すこともできます。

ちなみにここでの「平服」とは男女どちらも決してデニムやTシャツのようなカジュアルなスタイルではありませんので注意しましょう。

男性の「平服」

急な非行の場合は”平服(地味な色、柄の服)”でも構いません。会社や仕事場から直接行く場合でも、濃紺やダークグレーのスーツでも問題ありません。

※注意 シャツはできるだけ白の無地が好ましいです。派手なネクタイは外すしましょう。地味目のネクタイならそのままでも大丈夫です。

ノーネクタイでもやむを得ないですが、最近ではコンビニエンスストアでも売っていることが多いので、ネクタイ、靴下、靴は黒のものを着用しましょう。

女性の「平服」

女性の場合も、落ち着いた暗い色のスーツ、もしくはワンピースを着用し、できるだけ肌の露出を避けるようにしましょう。あまり派手ではないメイクを心がけましょう。

※注意 肌の露出をしないために黒やベージュのストッキングを着用しましょう。こちらもコンビニエンスストアで売っているようです。

本通夜に準喪服”略礼装”を着ていくことは、遺族に対して故人の不幸を事前に知っていてあらかじめ準備していたと思わせてしまうという理由であまり好ましくありませんでしたが、最近では多くの方が準喪服”略礼装”を着用し参列するケースが増えています。それは、本通夜そのものを故人が亡くなられてから何日か経ってから執り行われることが多くなったためです。

本来、平服で参列するというのは突然の訃報に準備する間もなく急いでそのままの格好で着ましたという意味が込められているのですが、最近では葬儀に参列せず、本通夜だけに参列する人が多いのでこの場合は”略礼装”で出席した方が良いといえますね。

こういったことから風潮が徐々に変化していくこともありますので、状況に応じてどちらを着用していくのかを決めるのがいいでしょう。

式に合わせた服装

仮通夜

故人が亡くなった当日に故人のそばで一緒に一夜を過ごす仮通夜ですが、最近では執り行われることが少なくなっているようです。

基本的に遺族、親族のみで執り行われる仮通夜ですが、男女どちらも落ち着いた色の地味な服装「平服」で行きましょう。

本通夜

故人が亡くなった日の当日、もしくは翌日に行われることがあります。

仮通夜同様、男女共に平服で行くのが一般的です。

本通夜に準喪服”略礼装”を着ていくことは、遺族に対して故人の不幸を事前に知っていてあらかじめ準備していたと思わせてしまうという理由からあまり好ましくありませんでした。

しかし最近では多くの方が準喪服”略礼装”を着用し参列するケースが増えています。それは、本通夜そのものを故人が亡くなられてから何日か経ってから執り行われることが多くなったことや、葬儀に参列せず、本通夜だけに参列する人が多いというのが理由です。

この場合は”略礼装”で出席した方でも良いといえます。

時代や風潮でマナーは徐々に変化していくこともありますので、状況に応じてどちらを着用していくのかを決めるのがいいでしょう。

葬儀・告別式

男性

準喪服(略礼装)(シングル、ダブルどちらでもよい)で白無地のシャツ、黒のネクタイ(タイピンはつけない)、光沢のない黒の靴、靴下

女性

黒のフォーマルドレス(スーツ、ワンピースどちらでもよい)

子供

制服がいちばんフォーマルな装いとなるので学生服を着用しましょう。

制服がない場合は男子であれば、白のワイシャツやポロシャツ、黒や紺色やグレーなどの暗めな色のズボンが好ましいです。

女子は白のブラウスに暗めな色のスカート、またはワンピースを着用するといいでしょう。

靴は普段学校に履いていく靴で問題ありません。

法事

主に三回忌以降の法事であったり、「平服でお越しください。」という文言をよく目にすると思いますが、ここでは礼装における平服という意味なので決して普段着というわけではなく、正装ほどかしこまった服装でなくてもよいという意味なので注意しましょう。

NGな身だしなみ

知らずにいると失礼に当たることもあるので注意しましょう。

ネクタイピン 派手な時計 アクセサリーはNGです。ただし結婚指輪とパールはOK。

動物の革(ツヤの無いもの)は問題ありませんが、ワニや蛇(爬虫類系)の革や毛皮のコートは殺生をイメージさせてしまうのでやめましょう

全体的に光沢や装飾が目立つものや派手な色や柄のものは避けましょう。

短すぎるスカートや肌の露出が多い服、派手なネイルや化粧はふさわしくありません。

夏の暑い季節だが上着を脱いでシャツ(半袖シャツ)姿にならず、上着を着用するのが好ましいです。

普段使いの黒のビジネススーツを喪服として着用しない(”平服”の案内であればOK)。

持っていくもの

男性は鞄は持たないのが基本です。

女性は黒いハンドバッグが一般的です。

その他には、数珠・香典・ふくさ・ハンカチなどもあると良いでしょう。

まとめ

いわゆるブラックフォーマル、準喪服にあたる略礼服をシーンによってネクタイを変えることで冠婚葬祭すべてで使い分ける事ができますが、式の格式やシーン、規模によって着用するものが変わるように、TPOに合わせた使い分けが重要になってきます。

一番大切なのは、ご遺族の気持ちを第一に考え、故人の死を悼むこと、そして自分のための着こなしではなく、故人のための着こなしだということを意識することが大切です。

不幸というのはいつ訪れるか分からないものです。実際に着ていくものはもちろんですが、日頃からマナーや知識として覚えておくといざというときに困りません。

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